TOP

あらいクリニック

健康診断で尿検査の異常を指摘された方


尿検査異常を契機に発見できる疾患

腎機能障害、急性腎炎、慢性腎炎、腎不全、尿路感染症、尿路結石、ネフローゼ症候群、前立腺肥大症、膀胱がんなどの尿路悪性腫瘍など


腎機能障害

腎臓は、体の水分を調節したり、老廃物を尿として排泄したりする機能を担っています。ところが腎炎などの疾患や外傷などのために腎臓に異常が生じ、血液を濾過する機能が低下すると、老廃物を十分に排泄できなくなり、体内に不必要なものや、体に有害なものが溜まってきてしまいます。
そして、腎臓の働きが正常の30%以下に低下し、体内状況のバランスを保つことができなくなった状態を腎不全(腎機能不全)と言います。
腎不全には、急激に腎機能が低下する「急性腎不全」と、長期間にわたって徐々に機能が低下する「慢性腎不全」の2種類があります。

急性腎不全

急性腎不全は尿路感染症や尿路結石などが原因で発症しますが、早急に適切な治療を行うことによって大部分の機能が回復します。しかし、慢性腎不全は腎機能がある程度まで低下しないと自覚症状が現れず、そのため早期発見が難しい疾患です。慢性腎不全になると、水分が貯留することによりむくみが出現したり、カリウム、ナトリウムなどの電解質のバランスが崩れて体調に様々な影響を及ぼします。

慢性腎不全

慢性腎不全は様々な病気(糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症など)のため、数年~10年以上という長い期間に、少しずつ腎機能が低下していきます。慢性腎不全となると、一度失った腎機能の回復は極めて困難です。腎臓の働きが低下すると、本来なら尿として排泄されるべき老廃物が体に溜まってしまいます。
症状は、進行速度や重症度、原因などによって様々ですが、尿の異常やむくみが生じたり、高血圧になったりすることもあります。
腎臓の働きが「10%以下」になると、血液の濾過が十分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまい、人工的に血液の浄化を行う透析療法が必要になってきます。

尿路感染症

尿路に細菌が棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を尿路感染症と言い、感染場所によって膀胱炎と腎盂腎炎に分類されます。細菌は尿道の出口から侵入し、膀胱に達して膀胱炎を起こします。膀胱の細菌が尿管を登って腎盂に達し、ここで増殖すると腎盂腎炎を起こします。治療には、細菌を殺す抗菌薬が投与されます。治療が効くと、症状は3日ほどでよくなりますが、渡された分の薬はすべて飲み切るようにしましょう。症状が良くなったからといって、途中で薬を中断してしまうと細菌が生き残りやすくなり、再発してしまうことがあるからです。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、前立腺が肥大、または前立腺の筋肉が過剰に収縮した結果、尿道を圧迫し、尿が出にくくなるなどの排尿トラブルを起こす疾患です。
前立腺が肥大する原因は、はっきりとは解明されていませんが、男性ホルモンのはたらきや生活習慣病が関係すると言われており、一般的に加齢と共に前立腺肥大症は増加することが明らかになっています。主な症状としては、尿をする回数が多い(1日8回以上)、急にがまん出来ないほど尿がしたくなる、がまん出来ずに尿をもらす、夜何度もトイレに行く、尿が出にくい、などがあります。

尿路悪性腫瘍

尿路上皮がん(腎盂、尿管、膀胱)の中で、膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。罹患数でも膀胱がんが一番多く、尿路がん全体の約半数を占めます。膀胱がんは、膀胱鏡検査を行えば、ほとんどは診断がつきます。尿にがん細胞が落ちているかを調べる尿細胞診も有効な検査です。

06-6690-0007